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2012/02/13


かすがい。
建材の合わせ目をつなぎとめるための大釘のことで、そこから両者をつなぎとめるもののことも意味する。
「子は鎹」なんて言葉があるけど、これは子どもが夫婦の間をつなぎとめる役目を果たしているってこと。

でも、子どもがつなぎとめるのは、なにも夫婦に限ったことではないですよね。
祖父母だって、親戚だって、あるいは近所の人、時には見ず知らずの人との間さえもつなぎとめる。
もちろん例外はあるんだけど、子どもがきっかけになって会話が生まれたり、関係が築かれたり、交流が始まったりってことがよくあるように思います。

あたりを見渡してみると、子ども以外にも人と人とをつなぐ「かすがい」としての機能を果たしているものが色々あることに気付きます。

例えば、犬。
子どものいないご夫婦が犬をペットとして飼っており、犬を我が子のように可愛がっていたら、そのご夫婦にとって「犬は鎹」かもしれません。
また、お散歩中の犬に寄って行く犬好きの人、いますよね?
飼い主さんが誰なのか知らなくとも、犬の愛らしさのあまりムツゴロウさんを想起させるほどかわいがる人。
「(わんちゃんの)お名前は?」
なんつって、飼い主さんと犬好きの会話が始まったりするわけです。
このとき、たとえ一時的にせよ、犬が飼い主さんと犬好きとの間をつなぐ「かすがい」の役割を果たしています。

動物、食事、ファッション、音楽、旅、アート、スポーツ、ダンス、映画、本、テレビ、ゲーム、タバコ、ボランティア、ふるさとetc.

可愛いもの。美味しいもの。美しいもの。楽しいもの。懐かしいもの。
その逆もそうかもしれません。
一時的であれ、会話のきっかけや関係を深める糸口を提供してくれるこれらは、時として「かすがい」の役目を果たしてくれます。

人と人は“情”がなくとも「かすがい」があればつながれる。
「かすがい」への想いを同じくする仲間意識を、両者の“情”に見立てることができるからです。
はじめは見せかけの“情”であっても、いつしか本当の“情”に変わることだってあるでしょう。

縁をつなぎ保てるか、社交が楽しめるか、コミュニティを形成できるか。
条件は色々あるでしょうが、共通の体験や話題を提供してくれ、ある種の感動を共有させてくれる、そんな「かすがい」を見いだせるかどうかも一つのポイントな気がします。

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