ジョルジョ・スーラ『グランド・ジャット島の日曜日の午後』 |
点描表現で描きあげられ、新印象派、ポスト印象派の時代のフランス絵画を代表する作品として知られている。
ご覧のように、この絵画には夏のある日に水辺でおもいおもいの時間を過ごしている人びとが描かれており、そこからはなんともメロウな空気感が漂っているように感じる。
場所はタイトルにもあるようにグランド・ジャット島なわけだけど、グランド・ジャット島は、パリ西部のセーヌ川に浮かぶ中州なのだそう。
大阪人としてはこれを聞いて思い浮かべるのはやはり中之島。
中之島も堂島川と土佐堀川に挟まれた中州だからね。
グランドジャット島 |
中之島 |
スーラが『グランド・ジャット島の日曜日の午後』の制作に着手したのが1884年。
中之島公園が大阪市初の市営公園として整備されたのが1891年。
1900年以降、中之島には大阪図書館(大阪府立中央図書館)や中之島公会堂(大阪市中央公会堂)をはじめ、学校や病院(大阪大学)といった施設が、市民の寄付などによって建設・設置されていったことを考えると、中之島には多くの人が集まっていたのはまず間違いがなさそう。
てことは…
もしかしたら、明治時代の「中之島の日曜日の午後」もグランド・ジャット島同様に、メロウな空気感を漂わせていたのかもしれないね。
なんてことを妄想をしてしまわずにはいられないのは僕だけだろうか。
当時の中之島公園を描いた絵や写真を調べて確認したい気もするけど、見たらがっかりしそうな気がしなくもないのはここだけの話。
大阪が「水都大阪」をキーワードにまちづくりやシティプロモーションを展開しているのをご存知でしょうか?
あまり知られていないかもしれないけど、大阪にはこうした動きがあって、そのシンボルイベントである「水都大阪フェス」というのが、2009年から毎年秋頃、中之島公園をメイン会場に開催されている。
去年から引き続き、今年の「水都大阪フェス2012」のテーマも「水辺のまちあそび」。
ということで、そのテーマに沿ったプログラムが多数実施されるのだけど(かく言う僕自身、あるプログラムのオーガナイザーとして参加するのだけど)、個人的にこのイベントの目標は『グランド・ジャット島の日曜日の午後』だと感じている。
事務局は「都市の水辺の魅力を使いこなす」「まちで楽しみを分かち合う」「大阪に誇りと愛着を持つ」という3つを目標に掲げているけど、目指しているのは『グランド・ジャット島の日曜日の午後』だと言えるんじゃないかなと。
そう勝手に解釈しているわけだけど、決してとんちんかんなことを言っているわけではないと思う。
あの賑わい。
あの空気感。
「水都大阪」の目指すべき姿が『グランド・ジャット島の日曜日の午後』にある。
明治時代の中之島がどうだったかは知らないけど、「水都大阪フェス2012」の期間中くらいは、『グランド・ジャット島の日曜日の午後』に近づけるんじゃないかな。
皆さんも「中之島の日曜日の午後」を味わいに、「水都大阪フェス2012」に来てはいかがでしょうか?
■ 水都大阪フェス2012『チャレンジウィーク』
平成24年10月13日(土曜)〜10月21日(日)
中之島公園ほか
公式ホームページ:http://www.osaka-info.jp/suito2012/