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2013/09/28

オープンガヴァメント(1)


先日、Twitterのタイムラインに枚方市の公式Twitterから「2013煙突登頂ツアー参加希望者募集!!」というイベント情報が流れてきた。


どうやらゴミ焼却施設の煙突に登って360°のパノラマを展望しよう!! という企画らしい。
煙突内の鉄筋折り返し階段450段を登らなくちゃならないみたいだし、施設の特性上、ニオイとかも気になるとは思うので、万人受けする企画ではないとは思うんだけど、毎年恒例らしく、過去の参加者アンケートでも好評なのだとか。
廃墟とか工場に萌えちゃうような一部方面の方にはテンションの上がる企画なのかもしれない。
そのツイートをRTしたら、僕のフォロワーからも「登りたい!!」「私も私も( ›ω‹ )⁾⁾」なんて反応もあったくらしだし。

それで詳細を確認して驚いた。
まず対象となる人が限定されていて、すごく閉鎖的。

対象は市内在住・在職・在学の方。高い所が平気な方。中学生以上の健康な方で階段450段を上がれる方。簡単な健康チェックあり。

これがリンク先の市のHPの記載なんだけど
もっとオープンにしてもいいんじゃない?
と思うのは僕だけなのかな。
「高い所が平気」だとか、「健康な方」というのは分かるんだけど、枚方市在住・在職・在学者だけに限定しなくても、ね?
しかも中学生以上って小学生以下はどうなの?
思春期真っ盛りな年頃の中高生より、小学生とかの方がよっぽど食いつくと思うんだけど。
ここまで限定しないと申し込みが殺到しちゃうような企画とも思えないし。
いや、するのかな?

次に申し込み方法なんだけど
百聞は一見にしかず。
ということで、これもそのまんまコピー&ペースト。

参加申込方法は、はがきに希望時間(第1希望・第2希望まで)・住所・氏名(同伴者名)・年齢・電話番号を書いて東部清掃工場へお送りください。はがき1枚で4名まで申し込みができます。

このご時世に、未だ申し込み方法がはがきオンリー。
年賀状(一筆も添えられてなくて、ただテンプレート貼り付けてあるやつとかは別)や暑中見舞い(DM以外のね)とか、季節のお便りをはがきでいただくとほっこりするけどさ、こういう申し込みとかの事務的なやり取りは、はがきである必要なくない?
もちろんインターネットが使えない人のために選択肢の一つとしてあってもいいんだけど、ウェブからも申し込みできると嬉しい。
はがきの方が時間も手間もお金もかかるわけだし。
はがきにしないと申し込みが殺到しちゃうような企画とも思えないし。
いや、するのかな?

それから市がツイートをした時間も気になる。
ツイートした時刻は1:05
Twitterを使うのは賛成だけど、なんだかね。
そもそもフォロワーが2,182人(2013830日現在)だから、そんなに多くないんだけど。
それでも公が発信する情報だから、ちゃんと届けようとしてほしい。
自動でツイートするように設定してるんだろうとは思うけど、TwitterとかSNSのコミュニケーションは生っぽい性質だから、時間が経つにつれてどうしても腐っていってしまう。
腐るってのは、つまりリーチしなくなるってこと。
それは読んでもらえないってことを意味するし、情報としての価値を失って、ウェブ上に漂うゴミ同然になってしまうことでもある。
だから、ツイートする時間はもうちょっと考えた方が良いと思うんだけど。
こんな時間にツイートしないと申し込みが殺到しちゃうような企画とも思えないし。
いや、するのかな?

枚方市の場合、Twitterの運用は市の定めたルールに準じて広報課が行っていて、枚方市の新着情報やイベント情報などを発信しているそうだ。
市の定めたルールがどんなのかは知らないけど、読んだらきっとクエスチョンマークが頭の上にいっぱい並ぶんだろうな。
メンション飛ばしても無視されるし(取るに足らないと判断されたのかもしれないけど)、コミュニケーションに対する姿勢はあまり良くない印象。
枚方市の過去のツイートを見てみても、コミュニケーション率は限りなく0に近い。
質問に回答することもないんだろうし、もしかすると枚方市に関するツイートを検索することもしていないのかもしれない。
ソーシャルメディアを活用している以上、一方的に情報を発信してたらいいやみたいな態度は正直どうかと思う。
メディアによって態度は変えないと。
ちゃんと情報を届けようとコミュニケーションをデザインしないと。


これまでマスに向けて情報を発信できるのはごく限られた人だけだった。
偉人、業界人、国(に準ずる組織体)、あと金持ちぐらい?
ともかくマスを対象にした情報発信は特権的な行為だったわけ。
インターネットが発達・普及して、「Web2.0」なんて呼ばれる時代に入るまで、一般の人がマスに対して影響力を持つことはほとんどありえなかったんだけど、SNSの登場によってその不可能はあっさりと可能へと反転したのは皆さんご存知の通り。
今ならSNSのユーザーは誰でも少なからず影響力を持っているし、これまで手間暇もお金もかかった双方向コミュニケーションであっても時空を越えて手軽に、そして無料で行える。

こんなツールを利益追求型の企業が放っておくわけがない。
コミュニケーションデザインさえできれば(これが難しいから広告会社やPR会社といったコミュニケーションのプロフェッショナルがいるわけで、企業はその人たちのために少なくない予算を割いているだけど)、生活者の課題やニーズ、意見や想いなんかも引き出せるし、プロモーションもできる。
その上、生活者の資本(「お金」という意味だけじゃなく、その人の持つネットワークであったり、時にはスキルや知識など)も引き出せて、結果として、企業のブランド価値だって高めることができるんだから。
まあ失敗したときのリスクも当然あるんだけどね。

行政もどうせSNSを活用するのであれば、企業みたいに上手く使えばいいのにな。
そう思っている人はきっと大勢いる。
僕もその一人なんだけど、オープンガヴァメント(2)では、そんな人には興味深いアメリカの事例を紹介しようと思う。


枚方市公式ツイッターアカウント@hirakata_city