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2012/02/25

「今 見ヨ イツ 見ルモ」



先日、大阪歴史博物館で開催されている「柳宗悦-暮らしの眼差し-」(2012年1月7日〜2月29日)に行ってきました。
これは柳宗悦の没後50年と日本民芸館開館75周年を記念して企画されたもので、柳宗悦が蒐集した古今東西の民藝品や直筆の書や原稿など貴重な資料が数多く展示されていました。
言わずもがな展示品は素晴らしかったのですが、パネルで紹介されていら柳宗悦の言葉が心に響きました。
以下に、全文を掲載します。

「今 見ヨ イツ 見ルモ」
私は「どうしたら、美しいものが見えるようになれるか」と
よく聞かれる。別に秘密はない。
初めて「今見る」想いで見ることである。
うぶな心で受取ることである。
これでものは鮮やかに、眼の鏡に映る。
だから何時見るとも、今見る想いで見るならば、
何ものも姿をかくしはしない。
たとえ昨日見た品でも、今日見なければいけない。
眼と心が何時も新しく働かねば、
美しさはその真実の姿を現してはくれぬ。
何も美しさのことのみではない。
一切の真なるものは、今見る時にのみ、
残りなく、その姿を現してくれる。
それは即今に見ることであり、真に見ることは、
この即今以外の出来事ではない。
宗悦
僕たちは普段、見ているようで何も見えていないのかもしれません。
慣れなのか、惰性なのか、物事をあまりにも当然のことと捉えて生活を送っている。
そして重要なことになに一つ気付けていないのかもしれません。
「普通」の品であった下手物を、「今見る」かのように立ち止まって見つめた柳宗悦だからこそ、そこに「美」を発見することが出来たのだと思います。
何気なく過ごす恋人との「普通」の時間、毎日やっている「普通」の仕事、家族との「普通」の食事
普段の生活は「普通」の連続とも思えます。
でも、そんな「普通」をじっくり観察してみると見えてくることがあるはず。
時間の中に、ルーティンワークの中に、関係性の中に、隠れている「普通」の真の価値。
真実の姿。
五感と直感を研ぎすませば、それに気付くことができるかもしれません。
その時、「普通」はもはや「普通」ではなく、「特別」。
眼と心を何時も新しく働かせて、いつも今初めて見るかのように物事を見る。
これができれば、竹内まりあさんが歌うように、“毎日がスペシャル”だと感じることができるかもしれませんね。
心がけたいものです。

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