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2012/05/08

Improv Evrywhere


Improv Evrywhereって知ってますか?
ニューヨークを拠点に活動している集団なんだけど
アメリカじゃ、設立者のチャーリー・トッドって人がImprov Evrywhereの活動について“Causing a Scene”って本も出しているし、活動をまとめたDVDも発売されてるし、TEDにも何回も登壇しているし、大手のメディアにも取り上げられたりと、わりと世間を騒がせてるみたいなんだけど
日本ではそこまでの知名度はないかもしれません。

で、この集団がどんな活動をしているかってことなんだけど
ズバリ、「いたずら」。
「いたずら」って言っても、ピンポンダッシュとかそんなかわいらしいもんではないよ?
彼らがやってるのは、本気の「いたずら」。
集団でパンツ(ズボン)を履かないで地下鉄に乗る「No Pants Subway Ride」だったり、ニューヨークのグランド・セントラル駅で突然停止する「Frozen Grand Central」であったり、クリスマスでにぎわうショッピングモールで突然ミュージカルを始める「Mall Santa Musical」であったり、カフェにラップトップPCの替わりにデスクトップPCを持ち込んで作業を始める「Mobile Desktop」であったり
それもフラッシュモブ的にね。
ちなみに、フラッシュモブっていうのは、インターネットやメーリングリストを通じた呼びかけに応じた不特定多数の人たちが公共空間に集合して、あらかじめ申し合わせた行動を取り、目的が達成されれば即座に解散する行為のこと。

ここではImprov Evrywhereの人気企画であり、Improv Evrywhereの魅力がつまった「The Mp3 Experiment」というミッションをご紹介します。

映像を見てもらえば一目瞭然だとは思うんだけど、彼らは「いたずら」に真剣に取り組んでる。
打ち合わせもしてるだろうし、練習もしてるだろうし。
それに、エンターテイメント性を重視してる。
「いたずら」にプロがいるのかは分からないけど、いるのだとすれば、彼らのような人を指すんだと思う。

先にも挙げたように、彼らの活動の舞台はパブリックスペース。
当然、急に「いたずら」が始まれば、周囲にいる人たちは「何が始まったんだ!?」と訳が分からなくて、辺り一帯が混沌とする。
でも、彼らが破壊活動をするような凶悪なテロリストでないことが分かってくると、周囲は楽しい雰囲気に包まれる。
そして終いにはそのエンターテイメント性に拍手を送ってしまったりってこともしばしば。
それもそのはずで、Improv Evrywhereはパブリックスペースに「カオス」と「ジョイ」を引き起こすことをモットーにしているみたい。

2001年の8月からスタートしたImprov Evrywher
芝居とコメディに興味を持ちニューヨークにやってきた若者が、なかなか舞台に立つ機会を得られなかったがために公共の空間に自分の活動の場を創ろうと思ったことがきっかけに始まったこのプロジェクトは、今では数万人以上の人を巻き込んで100以上のミッションをこなしてきているそうです。
10年以上にも渡る彼らの活動はHPにもYou Tubeにも多数アップロードされているので、気になる方は是非チェックしてみて下さい。

TEDで代表のチャーリー・トッドが言ってたんだけど、You Tubeのコメントで最も多い彼らへの批判は、「暇すぎなんじゃないか?」なんだとか。
こうした意見に対し、チャーリーはこう語ります。

「僕たちは暇なわけじゃありません。Improv Evrywhereの参加者の余暇の量は、他のニューヨーカーとなんら変わりがないのですから」

スタジアムに足を運んでフットボールを観戦する代わりに、彼らは少し変わったことをして過ごしているだけです。
余暇をどう過ごそうが、他人からあれこれ言われる道理はどこを探したってないですからね。
それに彼らのこうしたミッションってほんとにクリエイティブ。
「観客」でも「お客様」でも「消費者」でもなく、ミッションに参加している人はみんな「キャスト」であり「パフォーマー」なわけですから。
ニューヨークはアメニティが充実している大都市なので、「観客」やの「お客様」、あるいは「消費者」としてそれらの恩恵を受けるだけでも十分に楽しめるはず。
でも、そうした活動はサービスを享受するわけですから、姿勢としては受け身です。
彼らの姿勢はどうかと言えば、主体的ですよね。
やらなくてもいいミッションをゼロから生み出し遂行しているんですから。

子どもの頃は、誰もが遊びを生み出す能力を発揮していたはずですが、大人になればなるほど、その能力が衰えていくように思います。
Improv Evrywhereの参加者のように、「遊び心」を忘れず、「キャスト」や「パフォーマー」となる人が増えれば、「カオス」や「ジョイ」だけでなく、出会いや交流も増え、まちは楽しくなるかもしれませんね。
あなたは「遊び心」、なくしていませんか?

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