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2011/09/02

岸野由美恵展 〜そよ風の中で〜


きらきら光る木漏れ日。葉と葉が奏でる旋律。そよ風のリズム。美しい色彩。豊穣な香り。自然はいつだって心を静め、癒してくれる。いくら近代建築が「快適な空間」を追求したって、緑の中の心地よさには敵わない。
 日本画家である岸野由美恵は、そうした自然の魅力を優しいタッチで描く作家として知られている。彼女の初めての個展が現在、京都文化博物館別館「arton art gallery」にて開催中だ。
 京都精華大学で日本画を専攻していた彼女は、京都市美術館にて開催された卒展に自身の卒業制作を出展した。そこでギャラリーに才能が認められ、「個展をやってみないか」とのオファーを受けたという。
 実は彼女、僕の同級生。小中と同じ学校に通っており、何度か同じクラスにもなったことがある。とは言うものの、中学卒業と同時に関係が途絶えていたこともあり、彼女がアートの世界で生きているなんてことは知らなかったが、彼女が個展を開くということを聞きつけて、ギャラリーに足を運んできた。
 こうした同級生の活躍には胸が躍るし、誇らしい気持ちになる。それに、自分も「頑張ろう」って気にさしてくれる。良い刺激は気持ちがいい。
 彼女は地元の山田池公園で作品のインスピレーションを受け、創作活動を続けているという。馴染みの地に作品の原点があるということもあってか、初めて見る作品にも関わらず、すっと心の中に入って来る感じがした。作家自身の人柄を反映するのか、どの作品も優しく温もりのあるものであった。
 91日現在で、作品が1点売れたというが、個展をしたからといって美術作家として生計を立てることが出来るようになるわけでは当然ない。命のあるうちに、作品が評価され、美術作家としての成功を納めるのはほんの一握りの人間だけだ。だが、彼女にはこれをきっかけに、評価を重ね、ステップアップしていってもらいたい。秋には公募展に出展予定だという。今後の更なる彼女の活躍に期待。

岸野由美恵展〜そよ風の中で〜
■会期:20118月23日(火)〜9月4日(日)
■時間:10001930
■場所:京都文化博物館別館「arton art gallery」(京都市中京区三条高倉)



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