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2012/11/05

みちくさ


みちくさ【道草】(名)
目的の所へ行きつく途中で、他の物事にかかわって時間を費やすこと。
『大辞泉』(小学館より)


菊池亜希子は道草界の若き師匠。
そんな“界”があるのかは分からない、というか多分ないけど、
彼女の道草のくい方は間違いなく黒帯レベル。
世の“道草男子” “道草女子”のバイブルとなっている師匠の『みちくさ』と『みちくさ2』を読めばあなたも納得するはず。

師匠には「行きつけの街」がある。
それもたくさん。
東急東横線の中目黒と自由が丘の中間にある学芸大学という街もそのひとつ。

ある気持ちよく晴れた天気のいい休日。
師匠は自転車を走らせ、目黒通りにあるお気に入りの家具屋さんへ出かけていきました。
素敵な家具にうっとり、ときに興奮しながら、店内をくまなく物色。
その後、お腹をすかせた師匠はお店のお姉さんに「近くにおいしいお店はないですか」と尋ねたそうだ。
そうして教えてもらった小さなかわいいパン屋さん。

ショーケースの中にずらり並んだ素朴なネームのパンたち。
奥さんのパンへの丁寧な愛情。←『魔女の宅急便』のおソノさんみたいな人!(と勝手に想像)
パクリと口にいれれば、感動するほどおいしいパン。

この運命の出会いがきっかけで、この街に頻繁に自転車を走らせるようになったという師匠。
師匠は言います。

「この街に来るようになって学んだことがある。それは“散歩ルートは街で生まれる”ということ。素敵なお店を見つけたら、そのお店の方とたくさんおしゃべりをする。散歩中なんです、言えば大抵の人が自分のとっておきのご近所さんを紹介してくれる。そうやってどんどん素敵ループが続いてゆく。いい街というのは、そういう横の繋がりがしっかりあるものだ」

そんなふうにして師匠は「運命の店」とどんどん出会っていく。
これが師匠・菊池亜希子が教える「道草の極意」なんじゃないかと思うのだけどどうでしょう。

街に行きつけのお店が増えれば、その街が行きつけになっていく。
行きつけの街ができるって、「自分の庭」を手に入れたみたいでなんだか嬉しくて誇らしい。
「ふるさと」はつくれないかもしれないけど、「行きつけの街」ならつくれる。
“ホーム”と思える「行きつけの街」。
道草くって歩きましょう。

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